↑ここの二大オリジナル傑作
「アンヂェラス」&「梅ダッチコーヒー」

 手塚るみ子さんが案内役となって手塚先生の大好物をご紹介するこのコーナー、3回目の今月は、先生がよく通われた、浅草にある喫茶店の「アンヂェラス」です。
 浅草自体が「アジ」のある街ですが、その中でも老舗のこのお店では、古き良き「昭和」を感じることができます。
 はてさて、その老舗の喫茶店で手塚先生は何を食べていたのでしょうか



↑最初にコーヒーを半分飲んでから梅酒を加えるのが正しい飲み方とか




↑今でも浅草にはしょっちゅう
遊びに来ています。



↑ 実にハイセンス?な土産物の
数数を見るのが楽しい!

グルメ・ド・オサムシ 3 喫茶アンヂェラス

浅草には初詣や節分の時など、よく家族で出かけていった場所。
仲見世に並ぶキッチュでスノッブな土産物屋を覗きつつ、浅草寺をお参りし、人形焼を忘れず買って、昼時だったら釜飯や鰻などを食べて、それから「喫茶アンヂェラス」へお茶しに入るのが、我が家の定番コースだった。
昭和21年創業の「喫茶アンヂェラス」は、浅草ガイドには必ず紹介されるような超老舗の喫茶店。昔から実に多くの文豪や画家や役者や漫画家などが、この店の常連客になってて、父もそんな常連の一人だったようだ。私たち家族を連れてくることもあれば、1人でぶらりと立ち寄り、ダッチコーヒーとケーキを頼んだりしていたのだ。聞けば、亡くなる一年前にも父は店にやって来たんだそうだ。
大手術後にもかかわらず、どうしてもここのケーキが食べたかったのだろう。
この店には実に多くのケーキがある。そしてどれも昔ながらの懐かしいものばかり。バタークリームを使ったデコレーションをはじめ、プリンにしてもエクレアにしてもバナナロールにしても、まるで時代が止まったかのように見た目・味ともにどこか懐かしい感じがある。近頃は流行に合わせて味も姿もどんどん変えていく洋菓子屋が多いのに、ここは創業当時からまったく製法を変えてないんだそうだ。老舗らしいこだわりだ。
でも、そんなアンヂェラスにも革新的アイデアのメニューがある。それは「梅ダッチコーヒー」という、ダッチコーヒーに梅酒を入れて飲むといった、実に奇怪な飲物。けれどこれが意外に美味しい。お酒好きのご主人が、自前の梅酒をコーヒーに入れて飲んだらけっこうイケたので、15年くらい前から店の"裏メニュー"として、通のお客さんにだけ出していたんだそうだ。それがクチコミで広がって、今では店一番の人気メニューになっている。梅酒を入れるだけに、ちょっと大人の味わいといえるかもしれない。
大人の味わいといえば、私が生まれて初めて「サバラン」というケーキを食べたのも、この店だった。父が食べていたのを見て知ったのだが、それこそブランデーがたっぷり効いてて、子供心にはかなり衝撃的なケーキとの出会いだった。
その昔、父が店にやってきて、「今日はお酒が飲めないから」と、かわりにサバランを注文した事もあったとか。なんだかちょっと笑える話だ。






↑人形焼はいつも「亀屋」で
買ってました。


↑ご主人には父の思い出話をたくさん
聞かせてもらいました。



今回、取材をお願いしたお店
「アンヂェラス」さんの場所は
都営地下鉄浅草線、
営団地下鉄銀座線、
東武伊勢崎線浅草駅
から徒歩7分。
オレンジ通り沿いにあります。

■住所:
東京都台東区浅草1-17-6
■ 営業時間:
10:00〜21:30