年末となれば、1年の総決算で、同時に贈り物の季節です。
 贈って、もらって当たり前、じゃなくて、贈って新鮮、もらって新鮮な驚きを大切にしたいものです。いやいや、プレゼントをくださいって言っているのではありませんよ!
 ぼくは、どちらかといえばプレゼントする方が好き。
 相手の迷惑顧みず、"自分らしい"モノを贈っちゃう。
 「コレ、手塚さんらしいプレゼントだね」って思ってもらえればいいんだけど。
 気持ちってこともあるけど、お互いの関係のひとつの証しだし。
 だからぼくのプレゼントは実用品より、ちょっと変わったもの、きれいで役に立たないものなんかが多い。
 「いったいこんなもの、どこで見つけてきたの?」ってビックリされるようなモノがいいな。そんなカンケイを保ちたいワタシ。
 サテ、そこで今日はひとつプレゼントをしましょう。それは…。
 ここだけのハナシをひとつ。
 手塚治虫の作品の中で、ぼくが一番映画化したいものはなにか。
 そうですねー、好きな漫画はたくさんあるし、『鉄腕アトム』や『ブラック・ジャック』なんかもやってみたいんですけどね。アニメではなくて実写の『ブラック・ジャック』は、いままで様々なヒトが挑戦していますが、手塚眞版『ブラック・ジャック』は、是非トライしたいですね。手塚治虫の実写映画は、ぼくが作るのが一番合っていると自分でも思うのですが、かつてそんな企画は一度も出ないですね。フシギ。自分から言い出すのもシャクですしね。『火の鳥』はイイけど、おカネかかりそうだしなあ。それに『火の鳥』は漫画そのものが完成度が高すぎて、そこから別次元に脱却するのが難しいでしょうね。『陰陽師』の映画化もやりたいな。えっ?もう映画化されてます? あ、アレは違うヒトの漫画でしたか(笑)。以前、手塚治虫の漫画『悪右衛門』をアニメ化しましたけど、それに安部晴明が登場するって知っていましたか?
 冗談はサテおき、実は一番やりたい企画をこっそり教えると、『ファウスト』なんです。 『火の鳥』とはまた別の、手塚治虫のライフ・ワーク。何度も漫画に描いていますが、まだ描きたりなかったんじゃないかなあ。とても古典的なテーマだけど、まだまだ未来的な視点も持てるし、きっと自分の創作との接点が多いと思うんですね。
 そんなワケで、ぼくのヒミツの企画は「手塚眞による"手塚治虫版"ゲーテ原作の『ファウスト』」。
 なんかややこしい? そこがまた、ぼくらしいでしょ!
 では皆さん、善いお年を。
 そして素敵な2002年をお迎えください!

ヴィジュアリストとしての手塚眞の活動やエッセイが読めるのはこちらです。
よかったらどうぞ。
http://www.neontetra.co.jp

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