タナバタって、棚からボタモチのこと?
ちがう違う、それは棚ボタ。
タナバタは、棚からバターもち。
どんなモノだ、バター餅って?
話は飛びますが、スピルバーグ監督の新作『A.I.』を観たんですね。
未来社会、愛を持った少年型ロボットと来れば、いやでも何かを想像するでしょう?
でも観おわって思い出したのは、『鉄腕アトム』ではなくて、父のこと。
ぼく、スピルバーグは中学生のときに『ジョーズ』の予告編を観て以来、ファンなんですよ。
それは身震いするほどよくできた予告編でした。肝心のサメがちっとも映らなくて。
『ジョーズ』を観に何度劇場に通ったことか。手塚治虫は『バンビ』を何度も観たそうですが、
ぼくはシカじゃなくてサメ。
映像のダイナミズム、編集の巧みさ、音響の緻密さ。
ぼくはそこから映画の技術を学びましたね。
スピルバーグの次の映画が『未知との遭遇』。当時のツウは『CE3K』と呼びます。
これはサイコーの映画体験でした。
だってハリウッドのど真ん中の劇場で、しかもクリスマス・シーズンに、
そして隣には手塚治虫が座っていたんですよ! その衝撃はすごかった。
アメリカの若い観客って、日本みたいに静かに鑑賞って態度じゃないんですね。
ワーワーキャーキャー、遊園地のようにはしゃぎながら映画を観る。
よく映画の広告に「全米ナンバーワン」って謳い文句があるけど、あながちハッタリとは
思えない。なにしろ観客が積極的に傑作を作ってしまうんですから。
『CE3K』も、みんなでホントにUFOを目撃したゾ、そんな感じで大騒ぎ。
画面にUFOが映るたび、「ホラホラあそこに!」って立ち上がっちゃうんですよ。
作り手も「本物のUFO体験みたいでしょ?」って感じで作っていたし、観客とのイメージ作りの
共犯関係が素敵だった。
その日、ぼくら親子は映画のハシゴで、スターの手形で有名なチャイニーズ・シアターで
『スターウォーズ』(1作め)も観た。なんてぜいたくな1日!
だからこの日は、父との特別な思い出なんですね。
でも一番嬉しかったのは、2本観おわったあと、ぼくと父は意見が一致したこと。
それはつまり“『CE3K』のミステリアスな前半がサイコー!”って感想。
もし手塚治虫が『A.I.』を観たらなんと言うか。
きっとまた、ぼくと同じ意見だと思うけど…。

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