「息子の気分」




春って、きらいじゃない。
ポカポカ暖かくなってくるのもいいし、なんか「やっと始まった」って感じがあるから。
手塚治虫@ワールドも、やっとスタート地点にこぎ着けたかなって、想います。
まだまだやること、企画、山積み状態なんですけど。楽しみにしていてください。

さて、ぼくは世間ではヴィジュアリストっていう自分の肩書があって、その時々で映画監督だったりプロデューサーだったりしていますが、イッパン的に通用する呼び名は「手塚治虫の息子」です。
コレは世界中どこでも通用するからとても便利。といって海外旅行の入国審査で「ぼくは手塚治虫の息子です」とはいわず、「会社役員です」っていうけれども。

でもみなさん天才の息子ってどんなモノなのか興味があるでしょう?
「たいへんですね」っていわれたり(どうタイヘンなのかよくわからない)、
「うらやましいですね」っていわれたり(そうだと想う)、
「お父さんの仕事を継いでご立派ですね」っていわれたり(でも漫画かいてないしなー)。実は、あんがい楽しんでるってのが本心です。
春が好きって気持ちと同じくらい、ポカポカあたたかい感じの立場です。
なんといっても、ぼくは手塚治虫の大ファン。ぼくだけではなくて、家族みんながファンなんですね。「お父さんの仕事はキライ!」っていう家族はウチにも親戚の中にもおりません。好きな人を身近に感じられて、その人の仕事を手伝えるのって、素敵でしょう。 「お父さんの影響を受けましたか?」と尋ねられることがありますけど、本当のところはよくわかりません。だけれども、ひとつ確かなことは、自分の血の中には間違いなく、手塚治虫の血が流れているということです。
だからわざわざ影響を受ける必要はないのかもしれませんね。影響というのは、外から受けるもの。ぼくは中にあるから。とても自然に感じられるんです。
でもクローンと同じで、血を継いでいても、すべてがそっくりってことはない。
だから天才の息子ですけど、もしかすると天才バカボンかも(笑)。


ヴィジュアリストとしての手塚眞の活動やエッセイが読めるのはこちらです。
よかったらどうぞ。
http://www.neontetra.co.jp

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