鉄腕アトム「イワンのバカ」

1959年


マンガ 鉄腕アトム「イワンのバカ」より


マンガ 鉄腕アトム「イワンのバカ」より

マンガ 鉄腕アトム「イワンのバカ」より

【解説】
 惑星一周旅行中の遊覧ロケットが事故に遭い、アトムと数人の乗客を乗せた脱出用小型ロケットが月の裏側に不時着した。そこにははるか昔、1960年にソ連が打ち上げた古い月ロケットの残がいが残されており、その近くでは主人の死を理解できない旧式ロボット・イワンが、亡き女性パイロット・ミーニャ中尉の言いつけを守って黙々と働き続けていた。
 1959年、雑誌『少年』2〜3月号に連載された『鉄腕アトム』第30話に当たるエピソード。これに先立つ2年前の1957年10月、ソ連は世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功、翌月には生きた犬を乗せたスプートニク2号の打ち上げにも成功した。これにショックを受けたアメリカも宇宙開発を加速させ、1958年1月には人工衛星エクスプローラー1号の打ち上げを行っている。
 この作品は、そうした米ソの宇宙開発競争黎明期にいち早くそれを題材として描かれた作品である。国家間の争いのために犠牲となった女性パイロット・ミーニャ中尉。彼女の悲劇がアトムたちによって次第に浮き彫りとなってゆく。