鉄腕アトム 火星から帰ってきた男
解説:
初出は雑誌『少年』昭和43年1月号から3月号に連載されました。『少年』に連載されたアトムとしては、最終回に当たる作品です。読みどころ:





百物語
解説:
「百物語」は 1971年7月26日号〜10月25日号 『少年ジャンプ』に連載された作品です。読みどころ:

以上の二作品もいずれも読み応えのある作品ですが、やはり一番読みやすく、マンガらしくもあるのはこの「百物語」であろうかと思います。
題名こそ「百物語」とありますが、こちらも「ファウスト」を翻案にした作品。ただし、舞台は戦国時代の日本。重要キャラクターのメフィストも、妖怪(?)の少女「スダマ」として登場します。



思うに「百物語」は、舞台を日本に持ってくると同時にファウストの哲学的な悩みや苦しみをもっと形而下的な問題に——要するに卑近で生々しい姿に描きかえることで、元ネタを愛するがゆえに面白くパロディして、おちょくってやろう、という意図が一番よく出た、それゆえにマンガの魅力が最大限に引き出されたマンガ版「ファウスト」なのではないでしょうか。
ぼくの孫悟空
解説:
『ぼくの孫悟空』は、1952年の2月より、秋田書店の「漫画王」にて連載が開始された(連載時のタイトルは『ぼくのそんごくう』と、すべてひらがな)。手塚治虫自身も、東京の雑誌に連載を始めたこともあり、この年に東京・四谷に下宿をする。そして、『ジャングル大帝』『サボテン君』『アトム大使』ほか、数多くの連載を抱える作家となった。そんな中、『ぼくの孫悟空』の連載は人気を集め、1959年3月まで続く長期連載となる。連載は毎回4色刷りの巻頭カラーで、手塚治虫が色鉛筆で色指定をしていた。なおこの作品は、手塚治虫本人も認めている通り、アジア最初の長編アニメ『鉄扇公主』から大きな影響を受けている。また『ぼくの孫悟空』は、過去に何度もアニメ化された。まずは1960年に東映動画によって長編アニメ『西遊記』として封切られる。ここでスタッフとして参加した手塚治虫は、この経験を生かし、のちに虫プロを設立することになる。また同年、秋田書店の『ひとみ』で、悟空の恋人・リンリンを主役にした『リンリンちゃん』を連載した。
そして1969年、虫プロダクションにてTVアニメシリーズ『悟空の大冒険』がスタート。大人気作『鉄腕アトム』の後番組というだけでも、原作の人気とそのアニメ化に対する期待度がわかる(しかし、この番組は放映当時それほど人気を獲得できずに終了した)。
また、1989年には手塚治虫の自伝的アニメ『ぼくは孫悟空』が手塚プロダクションによって製作され、スペシャルアニメとして日本TVで放映された。そして2003年7月12日、新作劇場アニメとして『ぼくの孫悟空』が封切られた。
読みどころ:





冒険狂時代
解説:
(手塚治虫 講談社刊 手塚治虫漫画全集『冒険狂時代』あとがき より) この支離滅裂な漫画の原案は、じつはぼくが中学生のときかいた一千ページ近くにおよぶ習作です。題名を『おやじの宝島』というこの習作は、主人公の少年武士のかわりに、例のヒゲオヤジが役をつとめていたのです(もちろん現代の服装でした)。そしてこのガムシャラな私立探偵と、フランスのガニマール警部とシャーロック・ホームズが、宝島の地図をめぐって、怪盗アルセーヌ・ルパンとあらそうという大筋だったのです。
…(中略)…
ところが『おやじの宝島』は、どちらかというと劇画にちかいリアルな物語の上、恋愛までからんでいたので、かなり大幅に内容を変えないわけにはいきませんでした。
そして、なぜか主人公を西部へむかう日本の少年武士にしてしまったのです。
その名も、嵐風之助という、かっこいい名にきめました。ところが秋田書店の人が、これもなぜか“風”という字を“凧(タコ)”にまちがえて活字を組んでしまったのです。仕方なく、とんだまちがいのまま、嵐タコの助でとおすことにしました。
…(後略)…
読みどころ:





作者自らの元ネタ解説も作品中についておりますので、古い映画がお好きな方なら、お読みになって確かめて、ほくそえむのもまたひとつの楽しみ方かも知れません。
鳥人大系
解説:
(手塚治虫 講談社刊 手塚治虫漫画全集『鳥人大系』2 あとがき より)SF作家クラブが、故福島正実氏のリードで毎月一回例会をひらいていた頃、SFマガジンの副編集長だった森さんも必ずそこに出席していて、
「手塚さん、本誌にまた連載を…。」
と何度かたのまれ(以前「SFファンシーフリー」をかいてから、もうかなりの時間がたっていた)、一心奮起して、大長編大河SFスペクタクルロマンをかこうと決心したのです。
ぼくは、ブラッドベリのおなじみ「火星年代記」と、シマックの「都市」の、ご多分にもれず、かなり熱烈な愛好者でした。漫画でひとつ、あのようなエピソードの連作形式で、超人類の歴史をえがきたいと思っていたやさきだったので、
「じゃあ、『鳥人年代記』というタイトルにいたしましょう。」
といってしまって、予告にでてから、「しまった!」と思いました。
鳥人に関しては、すでにかなり昔「ロック冒険記」で、エプームというキャラクターをだしてしまっているのです。
あれの二番煎じになったら、SFマガジンにのせる意味がありません。
そこで、人間と鳥とのかかわりから、さりげなく始めることにしたのです。
読みどころ:









