あの『ブラック・ジャック』がリアル謎解きゲームになって登場!!
2017年7月23日から2017年9月24日まで東京・新宿のドラマチックルームにて開催されています。
どんな謎解きかを知るべく、本公演前に行われたテストプレイに虫ん坊スタッフが緊急参加!
体験レポートと共に、今回の制作を手掛けた謎解きバラエティレーベル「よだかのレコード」代表、横森創さんのインタビューをお届けします。
※注意書き
謎解きイベント紹介のためのレポート記事ですので、ネタバレに繋がる内容は書いておりません。安心してご覧ください。尚、レポートで掲載している写真は、本公演前に行われたテストプレイ時のものとなり、実際の公演とは異なる場合があります
※リアル謎解きゲームとは
参加者が物語の主人公となり、実際に「見て」「動いて」「探して」謎を解きながら物語を進めていく完全参加型のゲームイベント
うだるような暑さに体まるごと溶けそうになる夏の午後、会場であるドラマチックルームに到着した虫ん坊スタッフ。
謎解きゲームのスペックやライフゲージはゼロに等しい我々3人がドアを開けると……
※実際は最大人数が5人で1チームとなります
用意されたテーブルの上には、A4サイズの封筒と番号を導き出せたら開くであろう鍵が掛かったボックス、道具が入った半透明のケースが置いてありました。
※こちらのケースは本公演だと、救急箱になるそうです
ケースを開けると包帯と聴診器を発見! この時点でなんか医者っぽい!
ゲームクリア以前に、目の前にあるボックスの鍵が開けられればいいや、と完全に逃げ腰でしたが、ちょっとテンションが上がりますw
謎解きが本格的にスタートする前に、まず、今回の公演のために作成されたオープニング映像を観ることになります。ここで、ゲームの目的や注意事項などがアナウンスされます。
☞ 目的は、制限時間内に製薬会社の隠蔽をあばきだそうとして脱走してきた重症の友人を助け出すこと
☞ 制限時間は60分。手術準備50分、手術10分の計60分のゲーム構成
☞ 参加者は新人医師という設定でB・Jの助手になり、
手術を成功させなければならない。成功すればゲームクリア!
☞ 成功した暁に支払うB・Jへの報酬は1億円w
☞ 映像には、B・J(CV:大塚明夫さん)やピノコ(CV:み~こさん/MOSAIC.WAV)も登場します! 必見!
☞ 製薬会社の名前が天馬製薬
では、はじめよう!(アナタの心の大塚ボイスで)
ゲームがスタートし、封筒の中身を出すと、たくさんの種類の謎解きが展開されていきます!
おもむろに怪しい重症患者の手紙、謎の言葉、モチーフ……。
はやくもどこから手を付けていいか分からない虫ん坊スタッフは、率先して手を挙げ、スタッフにヒントをもらいまくりながら、ああでもないこうでもないとなんとか謎を解き進めます。
※本公演でもスタッフからヒントを得ることができます
あるときは道具を使い、あるときは用紙内のヒントを読み解きながら、答えを集めていきます。その答えがまた次のステップへと続きます。
とにかく、ありとあらゆるもの全て余すことなく意味があり、なにひとつ見逃さないようにしなくてはいけません!!
また、なんと!
\\\ ジャン!!! ///
(((((30分経過! 手術開始まで残り20分))))
経過時間を告げるアナウンス!
否が応でも迫りくる時間!
体感時間が完全におかしい!
右は、焦りすぎて、手と足が同時に出るの図。
※ヤラセではありません
ちなみに、アナウンスの声も大塚さんなので、いい意味で緊張感が増します。
パスワードや合言葉が分かることで行ける場所が増えたり、意外なものが役に立ったり、医療用語を使った謎が現れたり、神経を研ぎすませざるを得ない状態な分、答えが分かったときの喜びもひとしお。奇声? 発しましたよ、もちろん(興奮のあまり)。
なんとか悪戦苦闘しながら手術準備完了の段階までこぎつけ、いよいよ最後の手術タイムへ突入!!
そうだった!!!
目の前の謎を解いて行くのに精一杯で、本来の目的を見失っていた!
B・Jの力を借り、瀕死の友人を救わなくては!!!
すみません、詳しく書けず大変申し訳ないのですが、控えめに言ってもこの時点でテンション、、、
爆上げです!!!!
暗闇のなか、ライトを照らしながら手術……もとい、謎を解いていくというシチュエーションは、まるで本物のモグリの医者になったよう。
しかし、制限時間は10分!!!
余裕がまったくない!
助けて、手塚先生!
※実際に本物の医師免許を持っています
ただのヘタレテストプレイということもあり、途中、解説もいただきながらの挑戦となりましたが、無事、手術を成功させることができました!
クリア後の第一声は、「いやーーーーー、甘いもの食べたい!」(語彙力低下)
普段使わない脳みそをフル回転したのでめちゃくちゃ疲れましたが、ほんっっとうに、謎そのものはもちろん、小道具なども凝りにこっていて、いちいち感嘆の声を上げずにはいられませんでした。
本公演では、更に面白い部分だけを抽出し、濃縮還元でお届けされるとのこと!!
是非、この夏、足を運んでみてはいかがでしょうか!!
☞ 基本的に原作は未読でも大丈夫ですが、それっぽい要素満載
☞ ひとりじゃ無理でもチームのみんなとなら出来ることがある!
ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために!
☞ 情報共有も忘れずに!!
☞ 次々に現れる謎! ときには前に解いた謎解きの行程を思い出すことも
大切!!
☞ とにかく、頭を柔軟に!! 事前に禅寺や滝行などで心を無にするのもあり
☞ 最後の手術タイムの臨場感! B・Jとのユニゾン感が最高。体験すべし!
テストプレイ後、早速、仕掛け人である横森創さんに今回のコラボについていろいろお話を伺いました。
―――まずは、今回、『ブラック・ジャック』とコラボをすることになった経緯を教えていただけますか。
横森 創さん :(以下、横森)
もともと、僕は手塚作品が大好きで、最初は『ブッダ』か『ブラック・ジャック』のどちらかでやりたいとずっと思っていたんです。
手塚プロダクションにお話を持っていったときにオススメされた『三つ目がとおる』とも迷ったんですけど(笑)。
最終的に、手術をして助けるといった “危機から脱出する”というエピソードが多いところなど、謎解きとの親和性がすごく高いなと思って、『ブラック・ジャック』を選びました。
―――実際にテストプレイを体験して、聴診器や白衣もそうですが、小道具のギミック(仕掛け)にすごくこだわりを感じました。
『ブラック・ジャック』のこの要素を取り上げたい! ここのポイントは絶対押さえたい! と思った個所があれば教えてください。
横森 :
“ドラマチック謎解きゲーム”とある通り、ギミックだけではなくストーリー性をだすというところにこだわりながら、原作の『ブラック・ジャック』マンガの世界観と、医療ドラマという点、あとはB・Jが要求する報酬の金額が高い、という3つの要素は絶対に取り入れたいと思って制作しました。
―――そういった要素を取り入れ、謎解きが一体どうやって作られるのか気になります!
まずはどういったところからスタートして練られていくのでしょうか。
横森 :
僕がストーリーの大枠をつくって、こうしたら面白いと思う意見を言い合いながら、スタッフみんなで謎を作り上げていく感じですね。なるべく参加者が想像できないようなものにしたいなと。
最初はB・Jに手術(オペ)をしてもらう為に情報を集めて謎を解くというゲーム内容だったんですが、半分くらい作ってから、ピノコみたいにB・Jの助手になって一緒に手術がしたいよねっていう話が上がって。『ブラック・ジャック』が好きなら一度は夢として抱くシチュエーションですよね(笑)。
そこで、最後は彼の指示に従って手術をする謎解きゲームにしようということになりました。
手術のギミックも、僕は平面で考えていたけど、立体のギミックを使った方が手術感があって面白いんじゃないかって話になって取り入れたり。
―――手術タイムはもちろん、全体的にすごく…面白かったです!
だいぶ、(ポンコツ・初心者的に)難しく感じましたが、難易度はどのくらいになるんですか?!
横森 :
今日体験していただいたテストプレイは、クリアできないくらい難しいものとなっています(笑)。この段階からブラッシュアップしていき、だいたい参加者の3割くらいがクリアできる難易度に調整していきます。
実際、謎解きゲームって意外と難しくて、クリア率が全体の1割程度のものが普通なんですが、『ブラック・ジャック』に関しては、なるべく多くの人に重傷患者を救ってもらいたいなと思って、クリア率を3割に設定しました。
―――こういったコラボ企画などの参加者はどういう方が多いですか。
横森 :
コラボイベントの場合は半数くらいが新しいお客さんで、あと半数が「よだかのレコード」のファンの方になりますね。一人で来られる方も多いですし、ウチの場合は、20代後半から30代前半の女性が結構参加されています。
実は今回、脱走者を手術で救うというメインストーリー以外にも別ルートのストーリーがあるんです。そういうおまけの要素を“エキストラ”とか“トゥルークリア”とか呼ぶんですけど、謎解きのファン向けに作りました。謎解きが初めての方にも、より丁寧な説明が付いたビギナーキットをご用意しています。
初心者から上級者まで出来るだけ幅広い方にプレイして楽しんでいただける公演内容になっています。
―――謎解きゲームを作成するにあたり、普段、どういったものにインスピレーションを受けたりしますか。子どもの頃、ハマっていたものでも結構です。
横森 :
マンガと小説はジャンル問わずめちゃくちゃ読みますね。僕、そのとき読んでいるものにめちゃくちゃすぐ影響されるんですよ(笑)。
僕、美大出身なんですけど、中・高生の頃はずっとマンガ家を目指していて、手塚先生の絵を参考にいつも絵を描いていました。
初期の頃に手掛けた「三次元からの脱出」のイラストは『三つ目がとおる』の写楽クンのボツ案を参考に描いていたりしているくらいです(笑)。
中学生くらいからずっと好きだったので、今回、手塚作品とのコラボという夢みたいな話が現実となり、すごく嬉しいです。
―――マンガ家を目指していた横森さんが謎解きゲームの会社を立ち上げたきっかけを教えてください。
横森 :
「よだかのレコード」は、いまでは完全に謎解きゲームオンリーのレーベルとなっていますが、最初は音楽レーベルでした。大学から10年くらいずっとバンドを組んでやっていて、バンドの音楽を出すレーベルとして立ち上げたんです。
自社の事業になる前は、趣味で他社さんの謎解きイベントに遊びに行っていて。そのうち、面白いから自分でもやってみようと謎解きゲームの同人活動をしていました。なんでもいいから流行らせたかったんですね。音楽でもなんでもいいから面白いことをしたい、というところで、謎解きゲームが一番自分にマッチしていたんです。もともと、マンガ家になりたかったというのもあり、ストーリーを考えるのは大好きでしたし、その部分が大きく膨らんでいったというのかな。
謎解きゲームの可能性はすごく広くて、例えば、知らない街をプラプラ探索してみるとか、普段のなにげない行動もある意味謎解きゲームだと思っていて、そうとらえると、謎って世間にすごくあふれているんです。その一部にフォーカスを当てて、謎解きゲームを作り上げていくのがすごく面白い!
さらに自分の好きな作品とコラボできたり、自分の世界観を反映させることが出来たら、最高だなと思います。
―――今後、どういう謎解きを提供していきたいと思いますか。
横森 :
作品のなかに入りこめるような謎解きゲームですね。
例えば、好きな映画を観ていて、このシーンに自分がいたら面白いだろうなと思ったとして、そのシーンにいるような感覚を謎解きで再現できたらと絶対楽しいなって。ワクワクするじゃないですか。
あともうひとつは、同じマンガを読んだとしても、思い入れのあるシーンって、人によって違いますよね。この公演で1カ所でも2カ所でも、それぞれが思う『ブラック・ジャック』が体験出来きればいいなと。
手術がしたいとか、医療を使った謎解きがしたいだとか、なんでもいいんです。そういう体験したいシーンを切り取ったゲームをたくさん作っていきたいです。
今回、物販でお持ち帰りができる謎解きゲームを作らせていただいたんですが、こういうシチュエーションを体験したいなって人がちょっとでも遊べるようなものになってもらえたらと思います。
―――物販の謎解きゲーム!! それはどんなものですか?
横森 :
エレベーターにB・Jと閉じ込められていて、そこから脱出をするというもので、コラボのクリアファイルの中に謎解きの用紙と封筒が入っていて、用紙の謎が解けたら、封筒を開けて物語を進めていきます。お土産にいいので是非(笑)。
他にも、めちゃくちゃかわいいコラボバッジを用意しています。
―――そちらも楽しみですね! 最後にゲーム参加者へひとことお願いします!
横森 :
みなさんが読んで感じた『ブラック・ジャック』のこれだっていう要素が少しでも入っていれば嬉しいです。手術シーンまでは、絶対に辿りついて欲しいですね。
今回の公演は、過去5年間にやってきた謎解きやギミックがステップ単位で盛り込まれ、かなり、集大成的なゲームとなっていますので、是非、体験しに来てください!
ブラック・ジャック×ドラマチック謎解きゲーム
『脱走者緊急手術~Emergency Operation on Escape~』
開催期間:2017年7月23日(日)~9月24日(日)の毎週、金・土・日及び祝日
公演時間:120分(ルール説明なども含め)
チケット代:前売り3,000円/当日3,500円
チーム最大人数:1チーム5人
※当日の参加状況により変更する場合がございます。
※またグループで来ていただいた場合でも分かれていただく場合がございます。ご了承ください。
よだかのレコード公式HP:http://www.yodaka.info/