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虫ん坊 2016年1月号 特集1:ドールズ・パーティー34 ブラック・ジャック×SD展レポート&インタビュー!

虫ん坊 2016年1月号 特集1:ドールズ・パーティー34 ブラック・ジャック×SD展レポート&インタビュー!

ブラック・ジャック×SD展 入口

  手塚作品の中でも男女ともに人気の『ブラック・ジャック』のドールが誕生しました!
  手掛けたのは、京都に本社を構える、株式会社ボークス。
 2015年12月に開催された「ドールズ・パーティー34」内で開かれた「ブラック・ジャック×SD展」の様子を写真でご紹介しつつ、ボークス代表取締役・重田英行さんと、ドール企画室部長・重田茜理さんのインタビューをご紹介します!



●ボークスと手塚プロダクション

 精密なドールシリーズと、ガレージキットをリリースしている株式会社ボークス。マンガやアニメのワンシーンを細密に表現したガレージキットやフィギュア、少女マンガから抜け出てきたようなドールのラインナップで、ご存じの方も多いかもしれません。
 今年の8月、「ブラック・ジャック」と球体関節人形「スーパードルフィー」とのコラボを発表、オリジナル版ブラック・ジャックはすでに販売期間も好評のうちに終了しました。美麗な球体関節人形と、「ブラック・ジャック」…? 意外なコラボと思われた方も多いかもしれませんが、実は、代表取締役社長・重田英行さんにとって、手塚治虫作品はなみなみならぬ思い入れのあるものだったそうです。
 いったいどんなご縁があったのか、株式会社ボークス・代表取締役 重田英行さんにお話を伺いました。


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重田英行社長。オリエントヒーローシリーズのどろろといっしょに。


――そもそも、手塚作品のフィギュア化を、1970年代に手掛けられていたそうですね。

重田英行さん(以下、重田):はい。「オリエントヒーロー」という名称で、東洋の様々な英雄・ヒーローたちを具現化したい、というシリーズを作っていたんですね。黒澤明監督の映画から、とか、ニュースに出てくる英雄、漫画やアニメ、小説の主人公とか。
 手塚先生の作品もやろう、と思っていたんですけれども、まだ当時は腕が追い付いていなかったんですね。他の作品は、「ゴジラ」だとか「ウルトラマン」だとか、…ゴジラなんかはごつごつしていて、表現的には恐竜とか、怪獣でよかったんですが、2次元のマンガ作品である手塚キャラになってくると、どこからみてもそう見える、というのをつくらないといけないですよね。
 だいぶ、「オリエントヒーロー」シリーズが進んでから、いよいよやろう! ということで、まずは、メインはアトムでやりたかったのですが、それはちょっと難しいだろう、ということで、「三つ目がとおる」とか「どろろ」とか「マグマ大使」とか「魔神ガロン」を作って、高田馬場の手塚プロダクションへ持って行ったんです。



オリエントヒーローシリーズで作られた手塚作品のガレージキットは、現在でも手塚治虫記念館で見ることができます! エントランスホールの常設展の入り口のあたり、ガラスケースに展示されています。


 そのころのご担当者が「いいね!」と言ってくださって、そのまま、手塚先生のところに持って行ったんですね。ちょうどあれは、2階で仕事をされていたんですね。ちょうど、描かれていて。ぜんぜん振り向かず、一身に(笑)。
 声をかけられて、「ちょっとみせて」と。で、ちょっとご覧になって、「あ、これダメ」「これはいい」というふうに、一瞬なんです。
 当時、原著作者に作品を見て頂くことはあまりなかったんです。他社様だと、版権窓口の方だとか、企画の方だとかを通して、「今度見ておくから」ということだったんですけれども、手塚先生は「すぐ見たい」とおっしゃってるから、と。
 私はそれで、後ろ姿しか見ていないんですけれどね。

 その時は、「どろろと百鬼丸」はオッケーだったんですよね。「三つ目がとおる」がだめで、「ガロン」もだいぶ手直しをして。
 アトムがいちばん難しかったです。マンガでは、一番かわいいところを描けますよね。立体物は、後ろからも、前からも、上からも見なければならないから、ずいぶん苦労しましたね。一見、単純なラインでできているように見えるんですけれども、世界観とか、表情とか、性格を出そうとするとすごく大変だった、という思い出がありますね。
 腕の丸みや、角の感じ、ほっぺを膨らましたことでダメ、と言われたり。


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圓句昭浩さんによる「どろろ」フィギュア。一発OKが でました。

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オリエントヒーローシリーズのラインナップが並べられています。これらは普段は手塚治虫記念館のエントランスに飾られていますので、来館の際にはぜひ一度ご覧ください。


――絶妙な曲線なわけですね。

重田:この展示のアトムは、大分あとになってから作ったやつです。今見ると、なんというか恥ずかしいぐらいの造形ですね。
 それから何十年もの時間が経って、造形をやっている連中もずいぶん腕を上げたんですよね。まだ、フィギュアという言葉もなかった時代ですからね。おそるおそる、持って行って。
 1980年ごろになると、フィギュアに興味を持っていただけるようになり、永井豪先生とか、石ノ森章太郎先生とか、横山光輝先生といった方がたはわりと御熱心で、とある先生とかは、前もってお電話をしておりますと待ち構えておられましてね。「来たか!」というようなね。
 手塚先生は残念ながらお忙しすぎて、講演があったり、インタビューがあったり、とても時間がとれなくて、「置いて帰ってくれる?」ってことが多かったですね。


――最初の時は、たまたま仕事場にいて、その場で見ることができたんですね。

重田:ご自身の世界観があって、一瞬で「これはダメ」とか「これはいい」と決められますね。持って帰って、みんなに話したら「やっぱりな」と。


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ボークス製、鉄腕アトム&ウランフィギュア。なんども監修を通って、苦心した作だとか。


――作られた方は薄々、予感はなさっている。不安があったのですね。

重田:「この角度からだけ見てください」って、それはあんた、だめでしょう、と。先生はあちこちから見るのに、指定できないでしょ、と。「そうやな」ってね。いろんな思い出があって、手塚先生の作品はずっとやりたかったんですよ。
 「火の鳥」などにも挑戦したことがありましたが、あまりにも大きくなりすぎて、これはお値段がどうかな、と思って。出来ずじまいなうちに、先生が亡くなってしまわれて。
 先生が亡くなられたのは、60歳でしたね。ものすごく若くして亡くなられて。今の私が68ですから。もし、今まで活動されていたら、いったいどんな世界を描かれていたのでしょうね。先生が想像していた世界は、すべて現れていますよね。
 私たちは、小中学校のころに白黒の『鉄腕アトム』の「テレビまんが」を見て育った年代ですから。高校のブラスバンドでは、『鉄腕アトム』のマーチを演奏しながら、京都を練り歩きました。まさかあの、漫画に描かれた世界が実現するとは思いませんよね。もうすぐ、東京と名古屋がリニアモーターカーで結ばれるとか、腕時計で通信ができる、とか…すべて描かれていましたよね。
 先見の明がある、ということは、そういうことなんでしょう。それをマンガに描かれて、子どもたちに夢を与えてくれたし、大人になっても、5,60代の後半になっている人間であっても、忘れがたい作品ですよね。日本中の人々の心に焼き付いている作品だと思います。

 このたびは、こういう催し物をさせていただいたことはとてもうれしいです。天から先生もご覧になっているんじゃないかな(笑)。

 今回のスーパードルフィーシリーズでブラック・ジャックを扱わせていただいたのは、ちょっと今までにない、新しい企画です。少年誌で連載された男性キャラクターを、女性たちに新しい形で紹介できたと思っています。私たちの京都の美術館『天使の里』では、限定ドールを150体近く飾っているのですが、ぜひ機会があればそちらにも来てみてください。きっとその中でも異彩を放っていると思いますよ。


――男女どちらにも傾けられる手塚作品ならではの企画だったわけですね! 重田社長、ありがとうございました!


●スーパードルフィー、ブラック・ジャック誕生!

 では、人形シリーズ「スーパードルフィー」とのコラボはどのようにして実現したのでしょうか。そのあたりのお話は、ドール企画室部長・重田茜理さんと、手塚プロダクション・著作権事業局営業1部部長 内藤出に聞きました。


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elements,H とのコラボによるブラック・ジャック。SDはこのように着替えて楽しむこともできます。似合ってます。

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 elements,H とのコラボによるドクター・キリコ。タータンチェックのスーツも小粋に着こなせるSDキリコ。


――「ブラック・ジャック」をコラボ作品に選ばれたきっかけをおしえてください。

重田茜理さん(以下、重田):手塚先生の作品をスーパードルフィー(以下SD)化するまでには、明確なきっかけが実はありました。2014年に当社が創業40周年を迎えまして、40年を振り返るという企画をしていまして、30年ほど前に当社の社長が命名した「オリエントヒーローシリーズ」の中からまずは三作キャラクターを選んでSD化しよう、ということになりました。その中には手塚先生のキャラクターは無かったのですが・・・うちの会員様にどれが商品化されるでしょうというクイズをしたんですよ。
 そのクイズの回答で一番多かったのが、ブラック・ジャックだったんです。


――ファンとしては、絶対やるだろう、と。

重田:回答数=期待だ、と。これはお客様から期待をいただいたに違いないと信じてそれから1年かけて制作をしました。そして、発表を今年の8月にしたんです。


――内藤さんに質問なのですが、初めてお会いしたときの第一印象はどんな感じでしたか?

内藤出(以下、内藤):その前に他社でドールをちょこっとやっていたじゃないですか。あれがひと段落ついて、またドールの話もあればいいかな、と思っているところにボークスさんがやってきて。重田さんと名刺交換をして、そのあとメールをしたんですけれども、社長(重田社長)と専務(重田さんのお母さん・社長夫人)が、私の名前を聞いたらすごいびっくりしたそうで。
 手塚プロダクションの昔の版権の、私の立場にいた人が、内藤さんだったそうです。


――へえ!

内藤:昔、私と同じ名前の人が版権をやっていた、というのは、何かで聞いたことがありましたが、時代が違うから、その人と接触している人はほとんど私も聞いたことがなかったのですが。
  ライセンシー、たくさんいるじゃないですか。現状で100社くらいと付き合っていて。なんとなくいつも思うのは、仕事のつながりなんだけど、なんかの縁を感じている会社は、仕事がつながることが多いですね。
 第6感じゃないけれども、「もしかしたら、これは仕事になるんじゃないかな」と思ったんです。
 で、一回、サンプルを作って持ってきてくださって。

重田:監修には私と、もう一人河野という担当と、二人で行ったんです、(サンプルを)だっこして。で、「これです」ってお見せして。その時に、何人かの方に見て頂いて。

内藤:その時に「重田さん、ヤング ブラック・ジャックテレビ化するの、決定しましたよ」と。「それと、プロモーションと合わせれば、テレビ局も引き込めるし、秋田書店にも積極的に宣伝の協力をしてもらえるから、それをきっかけにやったらどうですか?」と言ったら乗ってくれて。
 タイミングがきましたよ、ということですよね。

重田:急きょ、ヤング ブラック・ジャックも作ろう、と、すぐに帰って、メイクスタッフとドレスのスタッフを呼んで、すぐに製作を始めました。


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会場では「ヤング ブラック・ジャック」コラボモデルの先行予約販売も行われていました。


内藤:もう少し前だったら、アニメ化の情報は伝えられないし、もう少し遅かったら、おそいよ、となったわけだから。ちょうどいいタイミングでお話が来た。本当にボークスさんの今回の案件は、いろんなところでタイミングがぴったり合っている。

重田:田畑由秋先生のコメントと、大熊ゆうご先生にも、本当に素敵なイラストを描いていただきました。今日も描きおろしのイラストを飾らせていただいたんですけれども、本当にうれしくて。

内藤:あれも、最初田畑さんがOKしてくださったので、大熊さんにも頼んでいいですか、と言ったら秋田書店のご担当が「ううーん…お忙しいので私を通してください」って。
 「1か月ぐらい待ってください」と言われたのに一瞬で上がってきました。

重田:秋田書店さまからは「ほかの仕事をさておき直ぐに制作いただきました」っておっしゃってくださって、ありがたいな、と思いました。

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大熊ゆうごさん描き下ろしのB・J&ヤングB・J! 特大で展示されていました。

――筆が乗ったのでしょうね。

重田:女性の方ですし、スーパードルフィーも知っていただいていたみたいで。自分の描いた子が商品化されることも喜んでいただいているそうです。

内藤:マンガ家先生が「何その人形、知らない」と言ったらそんなことにならないですよ。

重田:しかもオリジナルも入れて描いてくださって。ヤングだけかな、と思ったら、オリジナルのB・Jとキリコを絡めて。

――「ヤング ブラック・ジャック」と「ブラック・ジャック」の違いはどこにありますか? 今回、近いタイミングで出されましたが、売れ行きには不安はありませんか?

重田:今回はそれぞれ、違う良さをひきだそうと思って、ブラック・ジャックと、ドクター・キリコはやっぱり大人ですし、もともとの顔の造形に合わせて、特にキリコは死神と呼ばれてもおかしくないというような達観した表情をしていますが、「ヤング ブラック・ジャック」では、メイクで表情の違いをしっかりつけて、同じキャラクターながらまったく違うテイストを出しています。
 うちのお人形の特徴なんですけれども、お迎えいただいたお客様が、ウィッグやお洋服を変える事ができるんです。お迎えされた後もそれぞれのオーナー様の元でカスタマイズを施し、成長し、一層個性を強くしていくんですね。確かにオリジナル版とヤング版の発売タイミングは近かったですが、それぞれのキャラクターを理解し、お迎えしていただけるので、心配や不安はありません。
 


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会場の様子


――さきほどのブース展示でも、服が違うBJもいましたよね。ああいうことも楽しめるというか、あまり既成概念にとらわれずに。

重田:そうですね。発売をしたその時の姿のまま楽しまれる方もいますが、好きなドレス、好きなウィッグ、好きな瞳の色や、メイク等も変えられる方もおられますね。女性はどちらかというと、変えられる方が多いですが、男性はそのまま楽しまれる方も多いですね。

――ブラック・ジャックの一番の特徴はどこですか?

重田:いちばんドールのもとをきめるのは造形です。ブラック・ジャックは、ちょうど30年前に、「どろろ」の造形も手掛けているうちの正造形師の圓句昭浩が手掛けています。やっぱり手塚先生の描かれるブラック・ジャックと、今のアニメとは全然違ってて、少し丸みを帯びた鼻だとか、目力の、眉毛とかアイメイクを外した状態での瞳の形だとかを、かなり詳しく勉強しています。その集大成のあの原型が、いちばんのブラック・ジャックのアイデンティティです。
 顔の造形がいちばんのその子を決める条件で、それ自体をかえてしまうと、キャラクター性がおちてしまうので、メイクを変えられる方もおられますが、造形を変えられる方は少ないと思いますね。


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ヤング ブラック・ジャック。

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軍医キリー(キリコの若かりし頃)。


――それぞれのドールの一番工夫した点は他にはなにかありますでしょうか。

重田:ブラック・ジャックですが、まずウィッグですね。白と黒の髪形をどう表現するのか、イラストの中では、いろいろな立ち上がりになっている髪形を3Dで、しかもお客様が好きなようにできるように、とこだわりました。たとえば風が吹いたら風が吹いたように、かきあげたらかきあげられたように、自然に動かないといけないんです。通常のSDに使われているのとは違う素材の人工モヘアを染めて、カットをもみあげから、後ろの刈上げまで注意深く作りました。今どきのウィッグはあれだけもみあげは多くないんですよ。やはり、30年40年前先生が描かれたB・Jはもみあげがしっかりしてるから。あとはコートですね。中のベストとか、パンツとかシャツは、少し体にフィットするように、しゅっとかっこよくなるようにドール風にしているんですけれども、コートだけは、先生がイラストで描かれたようなコートの動きが出来るように、中に針金をしこんであったり、そういう細かい、通常SDではしないような細工がいろいろ施してあります。

――「めぐり逢い」のジオラマ展示ですと、かなりなびいていましたよね。

重田:反対に、キリコは、原作がかなりやつれていて、頬に線も入っているし、髪の毛も大きく広がっている髪型ですよね。そこで、私たちは、いったんキリコというキャラクターを飲み込んで、SDとしてかっこいいキリコを目指しました。銀髪と、鋭い眼光だけれど達観している表情と、黄色のスカーフだけはキリコ風にしたんですけれども、あとは、まずタイトな革パンだとか、革靴だとか、中にベストも正面は上品な黒なんですけれども、後ろに回ると金だったりとか、男性のドールを買われる方はほとんどが女性なので、女性のお客様が好きって言ってくれる仕様に変えています。


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「人生という名のSL」を再現したジオラマ展示。

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――キャラクター性だけを取り入れて、SDの世界観に翻訳するような。

重田:キリコは特にそれに気を使いました。

――アレンジの点で、監修について内藤さんに聞きたいんですが。

内藤:初めて持ってきてもらったとき、今日のうちに監修通しちゃったほうがいい、と思ってちょうど在席していた局長に見せました。局長の段階では「いいでしょ、これ」って見せて「いいね」ってなったら監修はオッケーだから。細かいところは担当者が手掛けました。

重田:私たちは、ボディには傷ないし、もっと細かな監修だったらどうしよう、ってめっちゃびびってたんですけど、内藤さんが、「今監修いこう」って言ってくださったから、(手塚プロの)若色さんにピノコを持っていただいて、私はブラック・ジャック、河野がキリコを持って、上まで上がって。
 見て頂いて、「いいね」って一言やったんですよ。続けて「宝塚風味だね」って。私らももうそれ以上なんにも言えなくて、「ありがとうございます」ってそのまま。

内藤:そういえば、そんなこともありましたね。今思い出しました。

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「ブラック・ジャック」複製原画と、SDのブラック・ジャックが本編内に登場するパネル。

――そういった紆余曲折があって、でも、本当に3体のドールが生まれてよかったですね。

重田:ほんとに。8月の京都ドルパで発表したとき、ものすごいお客さんが喜んでくださったんです。

内藤:それも、タイミングがすごくよかったんですよ。京都のドルパは、最初の「ヤング ブラック・ジャック」のアニメ化のCM解禁日の翌日だったんです。だから、TBSのイベントで流した翌日、データをTBSの担当者にお願いして直接ボークスさんに飛ばしてもらったんです。これが逆だったらありえなかったです。解禁前ですから。全部タイミングがいいんですよね。

重田:そのイベントでは事前に、「イベント最後に特別な発表があります」って、お客様に予告していたんですよ。それで、最後までみなさんが残ってくださって、発表できたんです。うちのスタッフが、「2015年、最大のコラボ企画発表いたします」と始めたんですが、「手塚治虫!」って出た最初の文字に「うぉー!」って歓声が。それで「医療マンガの金字塔!」って続けたら「わー!」って。もうすごい歓声の中、「ブラック・ジャック!」と続いて、会場は大興奮でした。  そして、そのままの勢いで「ヤング」もやります、って発表して、PVを流したんですよ。そうしたら、お客さん皆様で、「ヤング ブラック・ジャック」のオープニングで手拍子してくださって。本当にうれしかったです。泣きそうでした。こんなに大歓迎されて。

内藤:TBSのアニメフェスタが先、というのはともかく、うちでもほかにいろいろイベントがあったのに、それを飛び越えてボークスさんのイベントが最速でしたね。

――ドールをお迎えするときにポイントがあったら教えてください。

重田:そうですね。まず、スーパードルフィーにはサイズや種類の違いが凄くたくさんあって、それに伴って、男の子だとか、女の子だとか、天使だとか、いろいろバリエーションも多いんですね。だから、沢山見て頂いて、どの子が自分の心の琴線に触れるか、「この子をお迎えしたい!」と思われるかで決めていただきたいですね。「ブラック・ジャック」ということで決められると、戸惑われるかもしれません。意外と大きいですしね。それに、1体目が男の子というのは実はけっこうハードルが高くて。お洋服選びとかが難しいので…。
 だから、まずはじっくりと、どの子がいいか、という吟味をしていただいた方がよいと思います。実際、半年くらいかけて、どの子がいいかな、あの子かな、と悩まれる方が多いです。
 いよいよ決心されましたらまずはボークスの専門店にお越しいただきたいです。そして、実際のドールをじっくり見て頂いて、抱っこしていただく事をお薦めします。
 今日来て頂いているお客様はみんな、抱っこされていますでしょ、あれが私達のドールの特徴でもあるんです。抱っこして、みんなで楽しむ!


虫ん坊 2016年1月号 特集1:ドールズ・パーティー34 ブラック・ジャック×SD展レポート&インタビュー!

ブラック・ジャックのコマやSDのパネルと一緒に、SDの記念撮影ができるコーナー。ご自身で持ち寄ったドールをセットに置いて撮影することができます。

 当社ではお迎えした後の過ごし方も提案しています。これまでお人形遊びというと、どちらかと言えば自宅だけで楽しまれる方が多かったと思うんですよ。でも、うちはもう、出て行こう、と。抱っこして出て行く場を提供しよう、と考えています。全国の店舗や京都の美術館、ドルパ等のイベントの定期開催も、お客様同士のコミュニケーションを楽しむ場の提供ですし、ドールをきっかけに、撮影に興味を抱かれた方とか、お洋服づくりに興味を抱かれた方とか、SNSに興味を抱かれた方とか、いろんな方向に興味が広がっていったらいいな、と思っています。だから、イベントをたくさん開催してます。
 その他の環境ではびっくりされる事もありますが、ドールを抱っこして楽しめる場所を提供しています。そうすることで、男性も女性もドールの世界に入りやすくなりますし、「彼氏連れてきました」とか、「奥さん連れてきました」とか「ご家族みんなできました」という方も結構いらっしゃいます。交流をしていただくことで盛り上がるという面もありますね。

――より画期的な楽しみを提案されているんですね。イベント中、お忙しい中ありがとうございました!


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ステージイベントではブラック・ジャックとピノコの着ぐるみも登場! お客様との写真撮影コーナーもありました!


なお、ヤングブラック・ジャックは、12月26日より全国のボークスSD取扱い店舗&WEBで数量限定で受注を受け付けるそうです。ご興味が沸いた方、もともとのSDファンはぜひチェックしてみてください。

株式会社ボークス ヤング ブラック・ジャック特設サイト: http://www.superdollfie.net/ybj/#




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