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虫ん坊 2015年10月号 特集1:祝アニメ放送開始! ヤング ブラック・ジャック 間黒男役 梅原裕一郎さんインタビュー!

虫ん坊 2015年10月号 特集1:祝アニメ放送開始! ヤング ブラック・ジャック 間黒男役 梅原裕一郎さんインタビュー!

間黒男役・梅原裕一郎さん。間黒男風の扮装で。似合ってます!

いよいよTBSにて10月1日(木)深夜2時16分から放送開始となるテレビアニメ『ヤング ブラック・ジャック』!
 今月の虫ん坊では、放送直前企画として、主演の間黒男役・梅原裕一郎さんにお話を伺いました!

 関連情報:

・ アニメ 『ヤング ブラック・ジャック』
(その他地方局などでの放送予定はこちらでご確認ください)
 http://www.tbs.co.jp/anime/ybj/



9月某日都内某所、その日は定例のアフレコ収録日。第4話収録を終えたばかりのお時間をいただき、間黒男役・梅原裕一郎さんにお時間をいただくことができました。

――第4話の収録はどうでしたか?

梅原裕一郎さん(以下、梅原):今までの、3話までのお話は1話完結で、毎回クライマックスで間黒男がさまざまな世の不条理に巻き込まれて憤りや葛藤を覚え、――という筋立てだったのですが、今回は次回につながるお話でした。
 まずは状況を説明するための導入のシーンが入るので、手術シーンも少なめで、これまでのお話より日常会話が多い収録だった印象です。
 それから、原作を読んでいらっしゃる方はご存知かと思いますが、今回は、間黒男がヴェトナム戦争の戦場に潜入するというお話です。声優としての僕としても、「間黒男」としても、今までで演じた回や、これまでの体験にはない緊張感のある現場となりました。銃弾が飛び交う中、人が次々に亡くなっていく…、というような。
 これまでに映画や書物などで得たヴェトナム戦争に関しての予備知識から様々な想像を引き出して挑みました。


――ハリウッド映画などの吹き替えに心動かされてこの世界に入られた、とおっしゃっていましたね。映画は今でもお好きですか?

梅原:好きですね! 一時期、戦争映画にはまっていた時期があって、いろいろな作品を見ました。戦争映画特有の雰囲気――極限状態の中で明らかになる人間ドラマに惹かれるものがあったんです。ヴェトナム戦争関連の作品ですと、『プラトーン』は強い印象が残りましたね。


虫ん坊 2015年10月号 特集1:祝アニメ放送開始! ヤング ブラック・ジャック 間黒男役 梅原裕一郎さんインタビュー!


――いろいろな経験を経て、間黒男は人間としても成長をしていくのだと思いますが、第1話の収録のころと今を比べてみて、ご自身ではいかがですか? 間黒男に対する印象は変わってきましたか?

梅原:そうですね。話数を重ねるごとに、毎回現実を突きつけられて、その理不尽に怒りを覚え立ち上がっていく…という経験を、演じている間黒男とともに体験していくことで、僕も演じ方を変えようと――具体的には、よりいっそう言葉に重みをだすことを意識しています。
 間黒男という人物は、1話から4話までのストーリー上では、根幹のところは変わっていなくて「人を助けたい」という強い意志で動いているキャラクターです。今回のお話でも出てきたように、けがをしている人を見たら反射的に体が動いてしまうんですね。
 そこに、毎回壮絶な体験を積むにつれて、徐々に力強さも出てきているように思うので、そういうニュアンスを前に出していきたいです。
 第1話で登場する間黒男は、まだ一介の医学生で、少し線の細いところもあり、ひょうひょうとして浮世離れをしているところもあるのですが、それが徐々に現実に立ち向かって、受け入れていくことで、人間としても成長をしていきます。
 最終的には手塚先生のブラック・ジャック、天才外科医になっていくので、そこに向けて、最終回までにうまく橋渡しができるような説得力がある演技を目指しています。

――収録中は、キャラクターに感情移入するほうですか? それとも、一歩引いた感じで演じるほうですか?

梅原:今回は主人公でもあり、セリフ量も画面に映っている時間も今までにない長さなので、セリフのないときでも画面の間黒男をちゃんと目で追って、表情を自分に映すようにしたり、間黒男としての気持ちを途切れさせないように意識しています。

――舞台俳優と同じくらいの集中力が必要ですね。

梅原:舞台にはかつて朗読劇を一度やらせていただいたことがあるのですが、やはり、マイクの前でやっているお芝居とは違うな、と感じました。舞台に立っている限り、姿勢や動きをすべてお客様に見られているわけで、一瞬たりともその役でない瞬間はあってはならない、というのが舞台の基本じゃないですか。そういう経験を今作の前に積むことができたのは、自分の大きな糧になっていると思います。

――主役を演じるというのはそれだけ重みのあることなんですね。

梅原:そうですね。責任もひしひしと感じています。

――現場では、梅原さんが空気を作っているかんじですか?

梅原:いやいや! 僕は現場の中でも一番経験も浅いですし、まだまだ新人です。藪役の遊佐浩二さんをはじめ、毎回のゲストの方々など、優しい先輩方に支えられています。休憩でもつい、緊張感から台本にかじりつきがちな僕に何気なく話しかけてくださったり、打ち解けた空気を作ってくださっていて、本当にありがたいです。

――確かに、一つのスタジオで大勢の方が入っての収録ですから、場の雰囲気は大切ですね。

梅原:そうなんです。他のキャストの方々とのコミュニケーションは大切だと思います。

――初めて主役を担われるそうですが。

梅原:決まった時はとても驚きましたね。喜びと同時に、責任感も迫ってきて。どう役と向き合っていけば“間黒男”として納得していただけるかな、ということをずいぶん考えました。
 これまでの作品でブラック・ジャックを演じてこられた大塚明夫さんの若かりし頃を演じられる、というのはとても光栄なことですが、大変緊張もします。

――大塚明夫さんとはもうお話する機会はありましたか?

梅原:実は今のところ、まだご挨拶ぐらいしかできていなくて…。

――いつかお二人にブラック・ジャックについて語り合っていただきたいです!


●手塚作品について

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梅原さんの印象に残っているBJのエピソード、「イレズミの男」。


――「ブラック・ジャック」は以前よりお好きだったそうですが、ほかの手塚作品で、好きな作品はありますか?

梅原:アニメーションになったものだと、「鉄腕アトム」とか「ジャングル大帝」を見たことがあります。2004年に放送された大塚明夫さんの「ブラック・ジャック」ももちろん、拝見しました。
 それから、ものすごい読書家のおじがいて、その本棚には「火の鳥」などの手塚先生のマンガもたくさん並んでいましたので、小さいころから触れていました。

――漫画に限らず、本を読むのはお好きなんですか?

梅原:そうですね。最近はあまり読まなくなってしまいましたが、昔は小説が好きで、漫画よりは小説ばかりを読んでいました。漫画は、おじの持っているものだけは好きでしたね。実家に帰るときは、そのおじの部屋に行って、本や漫画を読むのを楽しみにしていました。なので本に関しては、おじの影響が強いですね。

――「ブラック・ジャック」で印象に残っているお話は?

梅原:やくざの入れ墨を手術するお話です。筋繊維にそって素早く切開すれば、傷跡が残らない、という…。

――ホントかなあ、とつい思ってしまいますよね。

梅原:そうですね(笑)。「ブラック・ジャック」には、結構、ファンタジックなものもありますよね。宇宙人を手術したり、局所麻酔で自分自身を手術する、というエピソードなど。
 でも鎌鼬のお話のように、話の中に科学的な根拠が語られる、完全なファンタジーではないところが僕は好きですね。

――「ブラック・ジャック」を初めて読まれたのはいつごろでしたか?

梅原:漫画自体の存在を知ったのは小学校1、2年生の頃だったと思います。その後、5、6年生のころに、文庫本サイズの、パッと見小説に見えるものがクラスの中ではやったことがあって、僕もその時、友達に貸してもらって読みました。

――小学生くらいの年齢で出会ってしまうと、怖いところもあったのではないですか?

梅原:実は、その読書家のおじが医者でして。小さいころから医療が身近だったので、抵抗がなかったんです。なので怖いとは思わなかったです。

――今回のアフレコでも、医学用語を予習されて挑まれたと伺っていますが、医師に対するイメージはかなり具体的にお持ちだったんですね。

梅原:そうかもしれないです。

――「ヤング ブラック・ジャック」の中で好きなセリフやシーンはなんですか?

梅原:第2話で、レイモンドというキャラクターの心臓を摘出するシーンで、藪さんに「これは、人殺しだ!」といわれるシーンが響きました。僕のセリフではなく、藪さんのセリフなんですけれども…。
 「俺のようになってはいけない」、というセリフは心に響きましたね。

――間黒男に同化して、聞いているような感じでしょうか。

梅原:そうですね。特に、藪さんのセリフには重みがあります。

――もし、主人公以外にキャスティングされるとしたら、誰を演じてみたいですか?

梅原:諏訪部順一さんが演じられる軍医に挑戦してみたいです。

虫ん坊 2015年10月号 特集1:祝アニメ放送開始! ヤング ブラック・ジャック 間黒男役 梅原裕一郎さんインタビュー!

間黒男のライバル的な存在・軍医。キャストは諏訪部順一さん。

――間黒男を取り巻く人間関係も気になりますよね。

梅原:間黒男に恋心を抱く女性とのエピソードなども気になりますね。
 それから手塚先生の描かれるドクター・キリコが昔から僕は結構好きで「無駄に延命するくらいなら安楽死を選ぶほうがいい」という考え方にも、うなずけるところがあって。現実的だな、というか…。
 キリコが持っているそういう哲学に昔は惹かれていましたね。

――常識にはむかいたいような気持になることってありますよね。

梅原:そうですね。それに一面では、間黒男もキリコも、どちらも間違っているとは言えないと思うんですよね。

――「ブラック・ジャック」の世界につながっていく人間関係がどう描かれるのか、も楽しみですね。ぜひ、大ヒットしてシーズン2も見てみたいです。
 では、最後になりますが、今回の作品についてPRお願いします!

梅原:この、「ヤング ブラック・ジャック」という作品は、とてもシリアスな作品で、なかなか、気楽に見流すことはできないのかもしれません。主人公の間黒男は、毎回理不尽な状況に追い込まれ、ショッキングなシーンも多く、人間の醜い部分も描かれます。描かれている時代背景も僕を含め、若い方がたにはなじみのない時代のお話でもあります。ですが、アニメという一つのエンターテイメントとしても、シリアスな医療ドラマとしても、とても見応えのある作品になっていますので、数々の試練に立ち向かう間黒男を通して、視聴者の方の心に何かを感じていただければ、うれしいです。

――お忙しい中、ありがとうございました!



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