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虫ん坊 2015年6月号 特集1:『ヤング ブラック・ジャック』アニメ化決定!
脚本:田畑由秋さん・マンガ:大熊ゆうごさんインタビュー!!

虫ん坊 2015年6月号 特集1:『ヤング ブラック・ジャック』アニメ化決定!
脚本:田畑由秋さん・マンガ:大熊ゆうごさんインタビュー!!

ヤング ブラック・ジャック8巻

『ヤングチャンピオン(秋田書店)』で現在大好評連載中、『ヤング ブラック・ジャック』の単行本8巻発売記念サイン会が5月23日に開催されました。
2015年秋にはTBSテレビでアニメ化も決定し、話題となっている作品です。
今月の虫ん坊では、早速イベントに赴き、脚本を手掛ける田畑由秋先生、作画担当の大熊ゆうご先生の両氏にインタビューしました。


■関連情報:

「ヤング ブラック・ジャック」漫画公式twitter


「ヤング ブラック・ジャック」公式ホームページ|TBSテレビ




★プレゼント!★

新刊『ヤング ブラック・ジャック』第8巻を、田畑由秋&大熊ゆうごのWサイン&美麗イラスト入りで1名様に!また、『ヤング ブラック・ジャック』特製アートカード(非売品)もWサイン入りで各1名様にプレゼント致します!!
ご希望の方は、「お名前(ペンネーム可)、メールアドレス」を以下メールアドレスまでお知らせください。

tezukaosamu-net-guide@tezuka.co.jp

応募締切:2015/06/30(火)
※ご当選された方には、個別に当選通知のメールを送信させていただきます。ふるってご応募ください!!



●祝アニメ化

――まずは、アニメ化おめでとうございます!(パチパチ)最初にアニメ化のお話を聞いた時の感想をお聞かせください。

田畑由秋さん(以下、田畑):別の仕事でも今までアニメ化の企画がきたことはあったのですが、ぽしゃることがたびたびあったので(笑)。今回もぽしゃるかなと、最後まで行くかな、という不安を抱えながらなりゆきを見ていました(笑)。
 そうしたら、本当にアニメ化になるんだっていうので嬉しかったのと、まだ大丈夫だろうか……、という心配があります(笑)。放映するまではまだ、ドキドキですね。

大熊ゆうごさん(以下、大熊):私も最初、本当かなって疑ってました(笑)。でも、アニメになるって聞いて素直に嬉しかったですね。自分の絵が動くのも今回はじめてなので嬉しいです。

――それぞれどういうシチュエーションでお聞きになったのでしょうか。

田畑:一緒に聞いたわけではなくて、個別に聞いたんですけど、担当者からメールで「アニメ化するかも?」って連絡が来まして。
 その後、「正式に決まりました。」というメールが来て……。これは本当なんだなとは思ったんですが、大丈夫なのかなって(笑)。

大熊:田畑さんがおっしゃるように、最初、「するかも?」というような、ふわっとした感じでうかがったので、いざ決定した時に「本当かな?」って、半信半疑になってしまったんですよ(笑)。アニメ化しますっていう決定的な瞬間がなかったのでみんなが半信半疑でした。

――今回は本当です!

田畑&大熊:良かったです(笑)。

――今回、田畑先生と大熊先生がコンビを組まれた経緯を詳しく教えて下さい。

田畑:最初、担当者からちょうど『ヤング ブラック・ジャック』のドラマ(2011年4月23日に日本テレビ系列で放送)の時にドラマの漫画化の話があると言われたんです。
 私はその時『ウルフガイ』(連載/ヤングチャンピオン 原作:平井和正 作監:余湖裕輝 作画:泉谷あゆみ)のリメイク作を連載中で結構忙しかったのですが、ドラマがベースにあるなら、脚本を作るのはそんなに手間が掛からないだろうと観てみたら、ドラマは現代にアレンジされていて自分が考えていたものとはイメージが違っていたんですよ。
 これだったら私は手塚先生の描かれた『ブラック・ジャック』の年代に合わせて時代背景も取り入れた作品にしたいと思い、ではもうドラマは関係なく、イチから若い頃の『ブラック・ジャック』の物語を、という話になりました。そして作画をどなたにやってもらうかに関しての相談を受け、実は、大熊さんにはうちでアシスタントをしてもらったことがあったんですよ。それで、大熊さんの絵ならスタイリッシュでカッコイイ新しい間 黒男ができるのでは、という事で推薦させていただきました。

大熊:私も田畑先生の作品は、デビュー作の『コミックマスターJ』の頃から読んで傾向は知っていたので、これなら組んでも大丈夫かなって思いました。

田畑:『コミックマスターJ』という作品は『ブラック・ジャック』のパロディなんですよ(笑)。その時は、『ブラック・ジャック』をすごくまた読み返していた時期で、『ブラック・ジャック』の知識はかなりついていたので、是非、何かしらやりたいというのは当初からものすごくありました。

虫ん坊 2015年6月号 特集1:『ヤング ブラック・ジャック』アニメ化決定!
脚本:田畑由秋さん・マンガ:大熊ゆうごさんインタビュー!!

当日の会場の様子


●キャラクター設定や話を作っていく工程について

――そこから、連載という形になっていったわけですが、作品を拝読していると、『ブラック・ジャック』本編と時制も同じですし、原作のネタも出ていますし、他作品の手塚キャラもたくさん出演しています。手塚ファンにはすごく美味しい設定ではあると思うのですが、そのあたりはお二人でそれぞれアイディアを出しあっているのでしょうか。

田畑:最初から、手塚作品の色々なキャラクターを出していくっていうのはあって、脚本を書き始めた頃は、メインのキャラだけはなんとなくこれというのがあるのだけど、脇のキャラとかは大熊さんが深く読み込んで当てはめていってくれて。
 例えば、百樹(『どろろ』/ 百鬼丸)とか今上エリ(『リボンの騎士』/ サファイア)とか、メインキャラの所だけは比較的打ち合わせして決めたりはしていますが、本当、脇役とかの細かい所は大熊さんまかせでやってもらっているような感じです(笑)。

大熊:脚本を読んで、役割やメインテーマにマッチするキャラや演技が近いキャラを手塚先生のキャラから見つくろって、出演していただいている形で考えています。何かしら原作でも近いことをしているキャラを選ぶことが多いです。

――話を作って行く工程については、どのような感じなのでしょうか。

田畑:実は最初はそんなに話が長く続くと思っていなかったし、ましてやアニメ化になる までなんて思ってなかったので、最初の2巻くらいまでしか考えてなかったんですよ(笑)。そこまでは比較的、話がこうなると想定して書いていたんだけど、以降からは私の中では、結構撮って出し状態になってしまっていて、一つの章を書いている途中で、だんだん話が変わっていったりすることもあって、本当に大熊さんには申し訳ないと思ってます…。

大熊:一話ずつ脚本をもらっているから、次の話が分からないんですよ。私も自主的に勝手に伏線を入れたりして、何をやるか先読みしないといけないんです。

――脚本家とマンガを描く側でのやりとりで、こんな大変な駆け引きがあったなど具体的なエピソードをあげていただけると嬉しいです。

大熊:私に駆け引きなんてしてるんですか?(笑)

田畑:駆け引きではないけれど(笑)、なんだろうなあ、最初の頃は若干脚本と意図が違う演出があったりしてちょっと直してもらったりした事はあったんですけど、今はほとんどなくって。ある程度、もう本当にお任せできるっていう感じでやってもらっているので、駆け引き的なものはないかな。
 逆に、それよりも私の個人的な中での駆け引きがあるっていうか(笑)。もう、これどうなるんだろうって思いながら、当初意図していたのと違う、キャラクターが動いてくれないという感じがあったり、これだと話がちゃんと終わらないじゃんと思いつつ、書きながら、なんとかしないと、ああなんとか終わったって、自分の中で葛藤がある感じです。

――逆に大熊先生が完結のアイディアを出したりすることはあるんですか?

田畑:最近だと、百樹編なんですが、連載の時と違って、コミックスではオリジナルのラストが少し加筆されているんですよ。それはもう、大熊さんオリジナルでやってもらったりして。

大熊:あまりにもどろろの出番がないので。これ、ちょっと嫌だなって思って、あのシーンを入れたんですけど、そういうことは私たまに勝手にやりますね。

田畑:もともと私の脚本上だと、最初どろろが出なかったんですよ。それで大熊さんがなんとか出したいというので取り入れました。
 展開上は話が長くならないよう、キャラもそんなに増やさない方向で考えていたので、本当に当初の段階だとヒゲオヤジも多分、そんなに出る予定でもなかったような気がします。ただの目立たない刑事キャラの予定だったのが、最終的にちゃんとしたキャラになったのは大熊さんのおかげです。

虫ん坊 2015年6月号 特集1:『ヤング ブラック・ジャック』アニメ化決定!
脚本:田畑由秋さん・マンガ:大熊ゆうごさんインタビュー!!

プレゼント用のサインとイラストをとても丁寧に描いてくださいました。


●『ブラック・ジャック』と『ヤング ブラック・ジャック』

――手塚作品ですが、お二人は以前から読まれていましたか?

田畑:私はものすごく読んでいた方ですね。昭和43年生まれなのですが、どちらかというと世代はずれていて、手塚作品よりまわりのみんなは「ジャンプ」だったんですよ。でも、小4か小5くらいに『リボンの騎士』にめちゃくちゃはまって。そのあと、丁度、『手塚治虫全集』が次々に刊行されたので、出るもの出るもの次々に買って読んでいました。
 その頃は「チャンピオン」の黄金期だったんで、『ブラック・ジャック』もリアルタイムで読んではいたけれど、中学生くらいになってからまた改めて読み返してはまるような感じでした。

大熊:私は全くドンピシャ世代ではなくて、かなり後の世代なんですよね。
 手塚先生の作品は、小さい頃に実は漫画ではなく、アニメから入ったんですよ。『ユニコ』から入って、おそらく次が『ジャングル大帝』か『三つ目がとおる』かどちらかなんですけど。特に『三つ目がとおる』はすごく夢中で観ていた覚えがあります。

――『ブラック・ジャック』はもちろんだと思うのですが、今の段階で大熊先生が描いていて楽しいキャラは誰ですか。

大熊:意外と藪が面白いのかも知れんませんね。原作から元ネタはいるんですが、全く変えてあるので、ある意味オリジナルキャラに近いんですよ。
 のびのび描けるのも藪なんですよね。演技が一番思い通りに描けるキャラです。原作のキャラ(綿引先生/原作「きたるべきチャンス」より)はものすごい脇役でただの病人キャラなので、キャラクター性が薄いからこそある意味自由に動かせるところがあるのかも知れません。

―― 『ヤング ブラック・ジャック』の中でも、一番人が変わっていってるというか、成長しているキャラですよね。

大熊:そういう意味では少年漫画の主人公キャラっぽいですよね。

田畑:成長がちょっと早すぎて、なかなか出しにくいキャラになってしまった感はあります(笑)。
 最初、間が医学生でまだ無免許で、それでもそれなりに活躍しなきゃならないから、手術する場所が必要になって、それでああいう藪医院があるという設定にしたんだけど、もっと長い間ヤク中にさせておくつもりだったのが、ベトナム編を書いたら、話の都合上、立ち直らなきゃいけない展開になってしまって。もう、立ち直ってしまったどうしようって(笑)。それで、ちょっと出しにくくなってしまったんです。でも今日のサイン会でも、「好きなキャラは藪さん」という方も多かったですしね。

――今や今回の新しい描き下ろしグッズのキーホルダーの中の一人にいますもんね。

大熊:(田畑さんに)計画的にキャラクターを作って下さい(笑)。

田畑:以前は意識していなかったので、さりげなく藪のキャラを描いていたけれど、今 は、ちょっとどう描いて良いのか分からない(笑)。

――大熊先生が動かしたことによって人気が出ちゃったキャラなのかも知れませんね。読者にとっては一番感情移入しいやすいキャラなのではないでしょうか。

大熊:「がんばれ」って、応援したくなるキャラっていうところがポイントなのかもしれないですね。

――今後、出てきて欲しいゲストキャラはいますか。

大熊:『三つ目がとおる』の写楽は出して欲しいところなんですよね。

田畑:『三つ目がとおる』の話はまだ考えてなかったなあ。
 大筋の後半のストーリーの流れは若干あって、そこに当てはめて出てくるのは、ロックとかブラック・ジャックが少年時代に友だちだったキャラクターですかね。あとは、ピノコにまつわる話は書く予定です。

――ピノコも『ヤング ブラック・ジャック』とはいえ、存在が匂ってくる話はいずれ出てくるということでしょうか。

田畑:『ブラック・ジャック』の本編で、ピノコが「畸形嚢種」で登場したとき、あの段階からいきなり骨格を作ったりするのってかなり無茶な話だと思うので、そのあたりの裏付けを取りたい…というようなことを考えてます。
 他の話でも、このエピソードがあったからこそ、あのセリフを言わざるを得なかったという風にしたいですね。そのあたりの話は考えている最中なんですけど。
 あとは、キリ―もそうなんですけど、昔は今と真逆の人間な訳で、逆のやつがなぜ真逆の生き方を取らざるを得なくなっていったのかということを丁寧に描きたいと思ってます。

大熊:私も楽しみにしています。

虫ん坊 2015年6月号 特集1:『ヤング ブラック・ジャック』アニメ化決定!
脚本:田畑由秋さん・マンガ:大熊ゆうごさんインタビュー!!


●読者の方へのメッセージ

――最後に今後の抱負やアピールしたい点などをメッセージとしていただければと思います!

田畑:最初は短く終わる予定だったんですけど、途中から話がどんどん膨らんで色々伏線を張っていますので、まだまだ今後ともよろしくお願い致します!!

大熊:手塚先生の作品を読んだことがある方にもない方にも楽しんでもらえるようにと意識しながら、絵柄を工夫したり、もっとこうすれば良くなるんじゃないか、ああすればいいんじゃないか、と常に色々試行錯誤しながら描いてます。
 この作品が、原作の『ブラック・ジャック』を読んでいただくためのきっかけになれば嬉しいです!

――本日はありがとうございました!



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