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虫ん坊 2015年2月号 オススメデゴンス!:「ドラキュラ登場」(『ドン・ドラキュラ』より)

 先月に引き続き、今月9日からいよいよ開演される舞台『ドン・ドラキュラ』の原作から1編をご紹介します。

 今回の作品で、ドラキュラ伯爵はなんと受験生と絡みます。ドラキュラと受験生……。よく考えるとシュールな取り合わせです。

 4月は受験シーズンというよりも入学シーズンですね。入学、進学されたかたも、ちょっと前のシーズンを思い出しながら、お楽しみください。 




 関連情報:

虫ん坊 2015年3月号 オススメデゴンス! 「ドン・ドラキュラ ドラキュラ登場」


解説:

 (手塚治虫 講談社刊 手塚治虫漫画全集『ドン・ドラキュラ』3巻あとがき より) 
 「ドン・ドラキュラ」は、ぼくの読者の評価やぼくの作品の中の位置づけは別にして、こんなに描いていてたのしい作品はありませんでした。これが半年の連載で終わってしまったのは「ブラック・ジャック」のあとの作品で、なかにつけて比較されたからですが、ぼく自身としては十分のって描いたつもりです。こういうムードのコミカルなドタバタがぼくにはピッタリあうのですね。 
 この作品が登場する前後から、たまたま世界的にドラキュラ・ブームが来て、映画は来るわ芝居は上映されるわ、トランシルバニアのドラキュラ城の観光ツアーまで行われる始末で、偶然ながら、そのブームに便乗した形になりました。しかし決して便乗したわけではなく、たまたま幸運にも重なっただけのことです。 
 (中略)
 フランケンシュタイン、狼男、透明人間とこのドラキュラで、ハリウッド映画おなじみのモンスター達は全部ぼくの作品に登場したことになります。しかし、中でもこの「ドン・ドラキュラ」には中途半端で終わっただけにとくに愛着があるのです。



読みどころ:


虫ん坊 2015年4月号 オススメデゴンス!:「ドラキュラ帰る」(『ドン・ドラキュラ』より)

 もうひとつご紹介する手塚版ドラキュラ物語には、受験シーズンにぴったりの1本。『ドン・ドラキュラ』連載当時も今も、受験といえば厳しく、辛いものですが、そろそろ入試、という受験生の皆さん、ひとつこんな作品でも読んでリラックスしてから、試験に挑んでみてはいかがでしょうか。
 










虫ん坊 2015年4月号 オススメデゴンス!:「ドラキュラ帰る」(『ドン・ドラキュラ』より)

  このところドラキュラが毎晩通いつめている美女には、中学三年になる弟がいました。高校進学を来年に控えているにもかかわらず、成績の芳しくない弟は悲観し、首をつって自殺しようとします。そこにドラキュラが偶然通りかかり、思いとどまらせるものの、少年の態度にはあまりに覇気がありません。業を煮やしたドラキュラは、ついうっかり、明日から数学を教えてやる、などと言ってしまいます。




 



虫ん坊 2015年4月号 オススメデゴンス!:「ドラキュラ帰る」(『ドン・ドラキュラ』より)

 しかし、ドラキュラがついてくれさえいれば百人力…というわけにもいきません。なにせ彼はどうもあまり勉強が得意ではないほうらしく、別のエピソードでは、カンニング鉛筆を作っていたほど。それでもタンカを切ってしまった手前、一念発起して勉強し、なんとか“らしく”なっているところがけなげ。そのうち少年にも慕われるようになりますが、姉の首筋の牙のあとを見つけられてしまいます。









虫ん坊 2015年4月号 オススメデゴンス!:「ドラキュラ登場」(『ドン・ドラキュラ』より)

  怪人ドラキュラにしてはお人よしでちょっとドジ、その割に頑固、という手塚版のドラキュラ伯爵。ちょっと間が抜けているところもありますが、何より見かけによらず優しいところがあるのが魅力です。このエピソードのラストも、そんなドン・ドラキュラの優しさがにじむ、心温まる名シーンです。





 







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