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虫ん坊 2012年02月号 オススメデゴンス!:『ユニコ より プロローグ~第一章 「野牛の丘」』

 今月のオススメデゴンス! では、バレンタインデーにちなんで、甘くて切ない恋愛物語をさがしてみました!

 手塚作品には意外と!? 恋愛ものが多いですが、今回はその中でもとりわけロマンチックな「ユニコ」をご紹介します。 

解説:

(手塚治虫 講談社刊 手塚治虫漫画全集『ユニコ』第2巻 あとがきより)

 ユニコというキャラクターはアメリカ生まれです。いや、アメリカ人がつくったわけではありません。
  サンリオというファンシー商品の会社が、アニメの本格的な作品として、「メタモルフォセス」(後に「星のオルフェウス」と改題)という日米合作長編ものを手がけるために、ロサンゼルスにスタジオを開設したのです。
  そこへ遊びにいった時、スタジオの一室でハッとユニコの姿が思いうかびました。
  そこで紙をもらって、イメージが消えないうちにスケッチをしました。ユニコの誕生です。
  そもそも、サンリオで「リリカ」という少女向け月刊誌を出す企画があり、ぼくも連載をたのまれていたのです。しかし少女マンガは長いあいだ描いていないし、なにかかわった動物ものにしようかなどと考えていて、それがロサンゼルスで突然ひらめいたのでした。
  日本へ帰る飛行機の中で、ユニコーンをもじった“ユニコ”というネーミングも終わり、こりゃあいけるぞ、と自信を深めました。
  (後略)


<Amazon: ユニコ(1) (手塚治虫漫画全集 (285))



読みどころ:

虫ん坊 2012年02月号 オススメデゴンス!:『ユニコ より プロローグ〜第一章 「野牛の丘」』


  後期の手塚作品においては、唯一と言ってもいい少女漫画のヒット作「ユニコ」。まずはその導入部をご紹介します。
  愛らしい主人公・ユニコの登場が描かれるプロローグは、ギリシャ神話がモチーフです。ユニコの飼主・プシケの美貌と幸運を妬んだビーナスは、西風の精に命じて、ユニコを遥か遠い場所へと運ばせます。そして、そのユニコが繰り返し経験する出会いと別れが、この「ユニコ」という作品のエピソードを形作っていくのです。
  なお、プロローグの「ペットコンクール」の場面には、「恐竜ガーティ」や「小象プーラ」が登場するなど、手塚治虫らしいお遊びが満載です。


虫ん坊 2012年02月号 オススメデゴンス!:『ユニコ より プロローグ〜第一章 「野牛の丘」』


 第一章「野牛の丘」は、インディアンの少年・ティピと、白人の少女・メアリの幼い恋愛が、人種間の争いによって壊れていく悲劇の物語。少女誌ながら、「人種間の理解」「侵略の歴史」という重たいテーマに挑戦しており、ここではハッキリと「白人=侵略者」として描かれているのが興味深いところです。ちなみに、初期の西部劇作品「拳銃天使」とおなじく、ここでも白人側の悪者をハム・エッグが演じています。


虫ん坊 2012年02月号 オススメデゴンス!:『ユニコ より プロローグ〜第一章 「野牛の丘」』


  ユニコの魔法の力によって大人になったティピとメアリ。2人が味わった束の間の純粋な愛は、当時の少女読者達の胸をきっと熱くしたことでしょう。





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