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虫ん坊 2010年1月号 トップ特集1特集2オススメデゴンス!コラム投稿編集後記

特集1:手塚流 まんがの描き方を振り返ってみたい

特集1:手塚流 まんがの描き方を振り返ってみたい

いまや漫画家といえば、子供の憧れの職業のひとつ。漫画好きの方の中には、自分でもペンやインクを買ってきて、描いてみたことがある、という方も多いのではないでしょうか?
プロになんかならなくてもいいから、ちょっと漫画でも描いてみようカナ? でも、漫画ってどうやって描くんだろう・・・?


そんな漫画の基本のキ! を、この夏、ちょっと勉強して見ませんか? 手塚先生によれば「漫画は誰にでもかけるもの!」だそうですよ。


今月の虫ん坊では、漫画の描き方の手順を、手塚治虫の元アシスタントで、投稿コーナーではおなじみのスタッフ・のむらの実演も交えながら、ご紹介したいと思います!



その1、ネーム

漫画のアイディアやストーリーを考えるお話は難しいし、人それぞれのやり方があるかと思いますので、ここでは、描きたいストーリーをまとめた後のところから、はじめたいと思います。


しかしそもそも、お話のネタはどうやってみんな、考えているのでしょうか?


のむら:そのお話ばかりは、人それぞれですからね…。描きたいものを描けばいいのですが、まずは、自分の得意分野で描いてみるのが一番です。何かひとつでも、人より詳しいと思うことがあれば、全く興味もないし、知らない世界を描くよりもアイディアが出やすいとおもいますよ。


なるほど! 皆さんも日常や身の回りを見渡して、ストーリーのネタを見つけてみましょう。
ストーリーはシナリオの形でまとめたあと、漫画の形に下書きをしていきます。


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台詞なども書き込んであります。


描き方はこんなかんじ。自分のためのメモのようなものですから、かんたんにどの人物がどこにいるか? どんなポーズをさせたいか? が分かるように描けばOK。


Q:ネームを描くときに気をつけることは?

のむら:登場人物の性格をきちんとはじめにつめておくことです。その人が話しそうなセリフかどうか? ということに一番悩みます。あとは、読む人が読みやすいように、人の配置に気を配ります。はじめのコマで左にいた人物が、次のコマで右にいる、などということがおこると読者は混乱するでしょうからね。


その2、下書き

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ネームを元に、原稿に下書きを書いていきます。
下書きは鉛筆で。人物を本番の通りに書いていきます。あーでも、何回も書き直したりとかすると、紙が汚くなっちゃうんですけど…


のむら:それはそれで、味があって良いと思いますよ。手塚先生も、描き直した跡などにはあまりこだわりませんでした。
  多少の汚れなどは、印刷に出なければ問題ないです!


さて、のむらさんの下書きを見てみると、ところどころに赤と青の色鉛筆でメモのようなものが書いてありますが、これは何のしるしですか?


のむら:これは、ベタを塗ったり、トーンを貼ったりするところの覚えです。手塚先生が、アシスタントたちに分かるように入れていた印をぼくも使っています。
 赤鉛筆のしるしは、スミベタをする所、青鉛筆の線は大まかなアタリのラインです。
 なぜ青鉛筆を使うかというと、昔は、青鉛筆の線は活版印刷に写らなかったからです。下書きのアタリのほかにも、スクリーントーンを貼る場所の指示なども描くことができます。
 このラインは消しゴムをかけた後でも、消えずに残っていたりします。でも、印刷にはでないのでOKでした。
 ちなみに先生は硬質な水色の色鉛筆を使っていました。普通の12色などの色鉛筆と違って、芯が適度に硬いものです。多分、製図用などのものだと思います。


その3、ペン入れ

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描きたい絵がしっかり固まったら、ペンを入れていきましょう!
ペン入れで気をつけることは?


のむら:まずよく言われることですが、直接原稿に手が触れないように、ペンを握る手の下に紙を引いてください。人によっては、写真作業用の手袋を使う人もいます。
  理由は手塚先生も「漫画の描き方」などの著書の中で言っていますが、手の油が原稿につかないようにするためです。
  また、利き手の反対側の上から、利き手側の下に描いていくと、自分が描いたラインを作業中の手で踏んづけずに済みます。
さてここで、のむらさんによるペン入れの模様を、動画でご紹介しましょう。







丁寧に、丁寧に描いていきます。これがそのまま、主線になるので、しっかりがんばりましょう。


のむら:ペンが紙に引っかからないように、紙の向きを変えたりなどして、描きやすい工夫をしてみましょう。ちなみに先生はある程度描き込んだペン先のほうが使いやすい、といって、アシスタントに使い古しをもらって、使ったりしていました。適度にペン先が丸くなって、紙に引っかからなくなるとか。
  あと、手塚先生の漫画の描き方の本に良く出てくる、「ペン軸が重いときは、お尻のほうを折ってしまうといいよ」というアドバイスは、人それぞれだと思います。僕は折らないで使うほう。自分の使う道具を自分の好みにカスタマイズするのも、楽しいですよね。


その4、仕上げ

 ペン入れがおわったらついに仕上げです。
  色鉛筆の指示通りに、ベタを塗ったり、トーンを貼ったりしましょう。


完成した漫画はお友達に見せるもよし、上手く出来たら、「夏休みまんが学校」に投稿してね!


今回、のむらさんが描いた漫画は、「夏休みまんが学校」に投稿します。
ぜひ、読んでみてください!

 

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完成!



虫ん坊 夏休みまんが学校
http://www.clip-studio.com/clip_contest/top/id/2


参考:のむらさんの七つ道具


今回、ペン入れを取材した際に、野村さんに使っている道具を見せてもらいました。


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下書きからペン入れまでの道具。仕上げ用の道具は入っていません


1、カブラペン 2本
 

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 縦に引いても横に引いても、同じ太さの線が書けるカブラペンが、手塚治虫とアシスタントたちのメインのペンだったとか。「Gペンはやわらかすぎて、線に強弱がつきすぎるので、使っていませんでした」と、のむらさん。


2、色鉛筆
 

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 青・赤の色鉛筆は、ベタのしるしや下書きに。緑は? 「ぼくが個人的につかっているもので、下描きの際にスクリーントーンの指定の覚えに使いました。本番の原稿には使えないんです。印刷に出てしまうので」。


3、定規いろいろ
 

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 曲線用の雲形定規や、面白いのは、真ん中につまみがついている直線定規。定規のメモリの部分が段になっていて、インクがたれたり、にじんだりしないようになっています。




<関連リンク>

虫ん坊 2010年7月号
特集1:虫ん坊100号記念 夏休みまんが学校 7/26開校!

http://tezukaosamu.net/jp/mushi/201007/special1.html



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