↑閲覧室。ここにも蔵書がならんでいます。

↑館長の内記稔夫さん。

「ゆかりの地見て歩き」第6回・「現代マンガ図書館」


  「ゆかりの地見て歩き」第6回は、新宿区早稲田にある「現代マンガ図書館」を訪問し、館長の内記稔夫さんにお話をうかがってきました。

 「現代マンガ図書館」は、貸本業を営んでいた内記さんが、1978年11月に設立したマンガ専門の私設図書館です。内記さんは、図書館の開設およびマンガの保存・公開に尽力し続けた功績が認められ、1997年に第1回手塚治虫文化賞・特別賞を受賞しました。

――手塚先生が図書館オープンの3日目にこちらへ来たそうですね。


内記: 
ええ、11月1日のオープンだったんですが、11月3日にみえたんですよ。先生の誕生日なんですよね。マネージャーの方もいなくて、お1人でした。貴重なプライベートの時間を使ってわざわざ来て下さったんです。

――以前から先生とはお付き合いがあったんですか?


内記: 
個人的なお付き合いは無かったです。貸本組合の総会なんかでお見かけした事はあるんですが、近づく前に役員が取り囲んじゃって、とてもじゃないけど直接お話しできなくて。それにファンの私達からすると、神様じゃないですか。だから近づきがたいところもあって…遠慮しちゃってましたね。
 ですから私のためにわざわざ来てくださったのが嬉しかったです。先生がいきなり入ってきた時は「あれ、何だか見た事がある…あっ、手塚先生!」って、一瞬わからなかったんですよ(笑)。先生は「いやあ内記さん、よくやりましたね」と言いながら、まず握手をしてくれて。その時、手伝ってくれたスタッフの中に予備校生がいたんですけど、見ると感激して私の後ろでしゃくりあげちゃってるんですよ。もう自分も同じ気持ちなんだけど、グッとこらえてね(笑)。「先生、ここの事はご存じだったんですか?」と聞くと、「いやあ、一ツ橋に行く時に毎日ここの前を通ってたから」と。窓に「近日オープン」と張り紙を出していましたから、それをご覧になっていたんでしょうね。

――その時に手塚先生とはどんなお話しをされたんですか?


内記: 
先生には書庫の一番奥の貴重な書棚をお見せしたんですよ。そしたら「内記さん、もっと古い本はないんですか?」と言われるので、「先生、何かお探しなんですか…?」と聞くと、「いやいや、私が少し持っているからあげますよ」と言うんです。結局その約束は実現される前に先生が亡くなってしまわれましたが…。
 その後、私達が書庫から出てきたらお客さんがいなくなってる。みんな文房具屋に色紙を買いに走ってたんですね(笑)。それからはサイン責めです。手塚先生はみんなにそれぞれ違う絵を描いてあげるんだけど、見ているとそれが全部欲しいんですよ!(笑)それで私も「すいませんが…」とお願いすると、「じゃあ普段描かないような組み合わせにしましょう」と言って、この2枚(『ブラック・ジャック&写楽』『ヒゲオヤジ&ハムエッグ、ランプ、ブーン』)を描いてくださったんです。